令和8年熊本地震により屋根や外壁が損傷し、雨漏りや二次被害を心配されている方へ、最初にお伝えしたいことがあります。傷んだ屋根には、ご自身で上がらないでください。瓦のずれや割れがある屋根は足元が安定せず、余震や風、雨の影響も受けます。ブルーシートを掛けようとして転落する事故は、過去の災害でも実際に発生しています。
ブルーシートは、屋根を直すための材料ではありません。本格的な修理までの間、雨水の浸入を抑えて住宅の被害拡大を防ぐための応急措置です。今回の地震では、条件を満たす住宅について、ブルーシートの展張などにかかる費用を市町村が施工業者へ支払う制度が実施されています。
一般には「ブルーシート補助金」と呼ばれることがありますが、現金を受け取る補助金ではありません。実態は現物給付です。正式には災害救助法に基づく「住家の被害の拡大を防止するための緊急の修理」です。市町村が内容を確認したうえで、施工業者へ直接支払います。すでに代金を支払った工事は対象外です。
この記事では、菊陽町を拠点に熊本県内の屋根工事を行う将建工業が、制度の対象、費用、申請の順番、施工前後に必要な写真、ブルーシートを掛けたあとの屋根修理について説明します。制度の受付方法や期限は市町村ごとに異なるため、実際に利用する際は、必ずお住まいの市町村へ事前に確認してください。
ブルーシート補助金とは(住宅の緊急の修理)
「住家の被害の拡大を防止するための緊急の修理」は、地震や台風などで住宅の屋根、外壁、窓などが損傷し、そのままでは雨水が入って被害が広がるおそれがある場合に行う緊急措置です。被災した住宅で引き続き生活できるようにするため、まず雨風の浸入を抑えることを目的としています。
対象となるのは、ブルーシートを屋根に展張する作業だけではありません。外壁や窓の開口部をシートやベニヤ板で塞ぐ作業、外壁材の落下を防ぐためのネットの設置なども、必要性が認められれば対象になる場合があります。
一方で、瓦の葺き替え、屋根のカバー工法、防水シートや下地の交換といった本格修理の費用を全額支援する制度ではありません。あくまでも、本修理までの間に住宅の損傷が広がらないようにするための制度です。
現金を受け取る補助金ではありません
この制度では、市町村が内容を確認し、施工業者へ修理を依頼したうえで、対象となる費用を業者へ直接支払います。被災者が先に業者へ全額を支払い、あとから市町村へ領収書を出せば返金される、という仕組みではありません。
すでに支払いが完了している工事は対象にならないと案内している市町村があります。雨漏りが発生していて急ぐ場合でも、まず被害状況を写真に残し、市町村へ連絡してください。連絡前に着工してよいか、どの書類が必要かを確認することが重要です。
ブルーシート補助金の上限額と対象工事
令和8年度の費用上限は、1世帯あたり56,400円以内です。消費税込みと案内している市町村があります。税の扱いを含め、最終的な金額はお住まいの市町村へ確認してください。この金額には、ブルーシート、ロープ、土のう、木材などの資材費、施工に必要な人件費、修理にかかる事務費などが含まれます。
上限額は「一律で56,400円を受け取れる」という意味ではありません。実際に必要な作業を見積もり、市町村が対象と認めた費用について、上限の範囲内で支払われます。工事費が上限を超える場合、超過分は申込者の自己負担です。
対象になる工事の例
- 瓦のずれや脱落、屋根材の破損により雨漏りするおそれがある屋根へのブルーシート展張
- 損傷した外壁へのブルーシート展張やベニヤ板による簡易補修
- 割れた窓ガラス、歪んだサッシ、開口部からの雨水浸入を防ぐための養生
- アパートやマンションなどで、剥落した外壁材による事故を防ぐための落下防止ネット設置
- 緊急措置に必要なロープ、土のう、防水テープ、押さえ木材などの使用
対象外になるもの
制度の対象は、災害発生時に実際に生活していた「住家」です。物置、倉庫、独立した車庫、事業専用の建物などは、原則として対象になりません。また、災害前からあった経年劣化の補修、見た目を整えるための工事、住宅の機能向上を目的とする工事も、緊急修理の対象とは異なります。
被害箇所のすべてをブルーシートで覆えばよいとは限りません。風を受ける面積が大きくなると、シートがあおられて屋根材をさらに傷めることがあります。屋根の形状、損傷位置、風向き、固定できる場所を確認し、被害拡大を防ぐために必要な範囲を判断します。
将建工業の応急処置料金との違い
将建工業では、ブルーシートによる応急処置を1万円から承っています。これは、制度を利用しない場合や、制度の対象にならない場合に、お客様から直接ご依頼いただく際の料金目安です。屋根の高さ、勾配、損傷範囲、必要な資材、安全確保の方法によって費用は変わります。
制度が利用できる場合は、市町村が認めた費用を上限まで施工業者へ支払います。制度の適用可否を将建工業だけで決定することはできません。まず市町村へ確認し、その後、必要に応じて将建工業へ現地確認と見積もりをご依頼ください。
熊本地震でブルーシート補助金の対象になる市町村
令和8年熊本地震では、熊本市、八代市、水俣市、山鹿市、菊池市、宇土市、上天草市、宇城市、天草市、合志市、美里町、大津町、菊陽町、西原村、御船町、嘉島町、益城町、甲佐町、氷川町、芦北町、津奈木町に災害救助法が適用されています。
熊本市は救助実施市として制度を実施し、それ以外の対象市町村については熊本県の案内に窓口が掲載されています。将建工業の拠点周辺にある主な窓口は、次のとおりです。
| 市町村 | 担当窓口 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 菊陽町 | 施設整備課 | 096-232-6500 |
| 合志市 | 都市計画課 | 096-248-3855 |
| 大津町 | 都市計画課 | 096-293-4011 |
| 菊池市 | 都市整備課 | 0968-25-7242 |
| 益城町 | 都市計画課 | 096-286-3340 |
| 熊本市 | 住宅政策課 | 096-328-2449 |
熊本市の096-328-2449は、住宅政策課の番号です。各区の土木センターの番号ではありません。
熊本市では、相談先が分かれています。屋根へのブルーシート張りで、これから業者を探す場合は各区の土木センター等へ相談します。すでに業者の当てがある場合や、ブルーシート張り以外を含む場合は住宅政策課です。土木センターの電話番号は区ごとに異なります。
- 中央区土木センター:096-355-2936
- 東区土木センター:096-367-4360
- 西区土木センター:096-355-2937
- 南区土木センター:096-357-4801
- 北区土木センター:096-245-5050
- 城南地域整備室:0964-28-2133(代表)
まず住宅の所在地を伝え、どの窓口へ相談すればよいか確認してください。
申込期限・完了期限は市町村ごとに確認してください
緊急修理は、災害発生後の短期間に実施することを前提とした制度です。原則は発災日から10日以内ですが、国との協議を経て期限が延長されています。
2026年8月19日時点の熊本県実施要領では、熊本市を除く対象20市町村の完了期限は2026年8月27日です。熊本市は救助実施市として別途実施しており、完了期限は2026年9月30日です。8月27日は益城町と八代市だけに限った期限ではありません。
申込期限は市町村により異なります。大津町のように、申込期限を未定としている市町村もあります。期限は更新される場合があるため、着工前に市町村の最新案内を確認してください。
熊本県「住宅の被害の拡大を防止するための緊急の修理(ブルーシート展張等)について」
ブルーシート補助金の対象になる住宅と被害状況
対象となる基本的な条件は、住家が「準半壊以上(相当)」の損傷を受け、雨水の浸入などを放置すると被害がさらに広がるおそれがあることです。制度上の目安として、準半壊相当は損害割合10%以上とされています。
ただし、住宅全体の被害割合を被災者ご自身で計算する必要はありません。屋根、外壁、窓などに貫通や大きなずれがあり、一度雨が降れば浸水を避けられない状態かどうかを、写真や現地確認をもとに市町村が判断します。
屋根で確認される主な被害
- 瓦がずれた、割れた、落下した
- 棟瓦や板金が外れ、下地が見えている
- スレートや金属屋根に割れ、めくれ、穴がある
- 屋根の一部が沈んでいる、または形が変わっている
- 天井や壁に雨染みがあり、雨が降ると水が落ちる
地上から見て異常がないように見えても、反対側の屋根面や棟部分に損傷がある場合があります。一方、目立つ色あせや苔があっても、今回の災害による被害でなければ制度の対象にはなりません。災害前からの劣化と今回の損傷を分けて確認する必要があります。
り災証明書を待たずに相談できる場合があります
ブルーシートの展張は、雨が降る前に行う必要があります。そのため、り災証明書の発行を待っていると、緊急修理の時期を逃す可能性があります。大津町など、緊急修理ではり災証明書の提出を不要としている自治体があります。
必要書類の扱いは市町村によって異なります。り災証明書がまだない場合も、被害写真、住宅の所在地、氏名、連絡先、予定する修理内容を準備して窓口へ相談してください。
借家や全壊判定の住宅
発災時に住んでいた借家も、所有者による修理までの間に雨漏りを防ぐ必要があり、その住宅に引き続き住む意思がある場合は対象になることがあります。工事前に大家や管理会社の同意を得てください。
全壊と判定された住宅は、内閣府の基準では原則としてこの制度の対象外です。ただし、修理によって居住できる状態になり、引き続き住む意思がある場合は、対象になることがあります。建物の安全性を含めて判断が必要になるため、市町村へ個別に相談してください。
屋根のブルーシートを申請する順番
制度を利用するときは、施工前の記録と市町村への事前相談が特に重要です。現場で手続きが止まりやすいのは、写真がない、すでに支払っている、見積もりの内容が応急措置と本修理で分かれていない、といった場合です。
- 被害状況を写真に残す
住宅全体、損傷箇所、雨水が入りそうな箇所を、複数の距離と角度から撮影します。 - お住まいの市町村へ相談する
住宅の所在地、被害状況、業者へ相談済みかどうかを伝え、必要書類と期限を確認します。 - 施工業者へ現地確認と見積もりを依頼する
対象となる応急措置の内容、資材、施工費、上限を超える自己負担分を分けて確認します。 - 申込書・被害写真・見積書を提出する
市町村指定の様式がある場合は、その書式に従います。 - 市町村からの依頼後に施工する
施工前と施工後を同じ角度から撮影し、どの範囲を処置したか記録します。 - 完了報告を提出する
施工業者が完了報告書、施工写真、請求書などを市町村へ提出します。
申請に使う写真の撮り方
写真はスマートフォンで構いません。大切なのは、どの住宅の、どの部分が、どの程度壊れているか分かることです。住宅全体が分かる写真、屋根面や外壁面の位置が分かる写真、割れやずれを近くから確認できる写真を残してください。
屋根の上でしか見えない箇所は、被災者ご自身で撮影する必要はありません。地上や窓から安全に撮影できる範囲を記録し、見えない部分は業者の現地確認時に撮影します。撮影のために脚立へ上がったり、屋根へ移ったりしないでください。
施工後は、施工前と同じ方向から写真を撮ります。ブルーシートを掛けた範囲、固定方法、外壁や窓の養生範囲が分かるようにします。写真の撮り忘れは、制度の対象性や施工内容を確認できなくなる原因になります。
見積書では応急処置と本修理を分けます
緊急修理の対象は、被害拡大を防ぐための必要最小限の処置です。そのため、ブルーシートの資材・展張費と、瓦の葺き直し・葺き替えなどの本修理費用を同じ項目にまとめると、対象範囲が分かりにくくなります。
将建工業では、現地で屋根の状態を確認し、応急処置に必要な範囲と、本修理が必要な範囲を分けてご説明します。制度申請に見積書が必要な場合は、市町村の案内内容を確認したうえで作成します。
ブルーシートを自分で屋根に張らないでください
屋根の上は、地上から見る以上に危険です。勾配が緩やかに見える屋根でも、表面に砂ぼこりや苔、雨水があると滑ります。地震で瓦が浮いている場合は、踏んだ瞬間に瓦が動くことがあります。割れた屋根材や浮いた板金で手足を切る危険もあります。
さらに、ブルーシートは面積が大きく、少しの風でも強くあおります。屋根の上でシートを広げたときに身体を持っていかれたり、押さえようとして足元を崩したりする可能性があります。余震が続く状況では、普段屋根作業をする職人でも、作業を中止する場合があります。
ブルーシートは固定方法も重要です
シートを瓦へ直接釘で打ち付けたり、土のうを不安定な場所に置いたりすると、屋根を傷めるだけでなく、強風時に資材が落下する危険があります。軒先からシートの端が大きく出ていると、風が入り込んでシートが持ち上がります。
損傷箇所だけでなく、屋根の形、棟や谷の位置、雨水の流れ、固定できる下地を確認して施工します。安全に作業できない天候や屋根状態の場合は、無理に施工せず、作業時期や別の養生方法を検討します。
ブルーシート補助金で失敗しやすい点
市町村へ相談する前に代金を支払う
制度は、市町村が施工業者へ直接依頼し、費用を支払うことを基本としています。先に個人で契約し、支払いまで終えた工事は対象にならない場合があります。緊急であっても、少なくとも施工前の写真を残し、市町村へ連絡してください。
施工前の写真を撮らずにブルーシートを掛ける
施工後は屋根がシートで隠れるため、元の損傷を確認できません。被害が今回の災害によるものか、雨水が入る状態だったか、どこへ施工したかを示すために、施工前後の写真が必要です。
ブルーシートで屋根が直ったと考える
ブルーシートは、紫外線、風、雨で徐々に劣化します。固定部分が緩んだり、シートに穴が開いたりすると、再び雨水が入ります。シートの下で瓦や下地の損傷が進んでいても、外からは確認しにくくなります。
応急処置後は放置せず、本修理の時期と方法を決めてください。雨漏りが止まっている間に調査することで、室内や構造材まで被害が広がるのを防ぎやすくなります。
緊急修理と住宅の応急修理を混同する
今回説明しているブルーシートの制度は、被害拡大を防ぐ「緊急の修理」で、上限は56,400円です。これとは別に、日常生活に必要な最小限の部分を直す「住宅の応急修理」があります。
令和8年度の住宅の応急修理は、大規模半壊、中規模半壊、半壊の場合は1世帯あたり757,000円以内、準半壊の場合は367,000円以内です。屋根、壁、床、建具、上下水道、トイレなど、生活に欠かせない部分が対象になります。内閣府の基準では、全壊の住宅は原則として対象外です。修理すれば居住できる状態になる場合に限り、例外として対象になることがあります。ブルーシートの制度とは目的、期限、必要書類が異なります。
火災保険・地震保険と同じ制度だと考える
市町村の支援制度と火災保険・地震保険は別です。保険は契約内容と被害原因によって対象が決まります。同じ修理費を重複して受け取ることはできないため、制度と保険の両方を検討する場合は、市町村と保険会社の双方へ申告し、取り扱いを確認してください。
災害に便乗した修理業者とその場で契約する
災害後は、「すぐ直さないと危険」「保険で全額払える」などと言って契約を急がせる業者が現れることがあります。屋根の状態を見せずに高額な契約を迫る、保険申請の代行手数料を求める、会社の所在地や連絡先がはっきりしない場合は注意してください。
見積書には、施工範囲、使用する資材、数量、単価、自己負担の有無を記載してもらいましょう。分からない項目があれば、その場で契約せず、市町村や家族へ相談してください。
ブルーシートを掛けたあとの屋根修理
応急処置後は、ブルーシートを外さないと確認できない部分を含め、屋根材、棟、板金、防水シート、野地板などを調査します。必要な本修理は、損傷の範囲と屋根の状態によって異なります。
部分補修で対応できる場合
割れた瓦が数枚に限られ、下地や周辺の瓦に大きな損傷がない場合は、瓦の差し替えやずれの調整で対応できることがあります。棟瓦や板金の一部が外れた場合も、下地の状態が良ければ部分的な復旧が可能です。
葺き直し・葺き替えが必要な場合
広い範囲で瓦がずれている、防水シートが破れている、野地板まで雨水が回っている場合は、屋根材を一度外して下地から直す必要があります。既存の屋根材を再利用する葺き直しと、新しい屋根材へ交換する葺き替えがあり、屋根材の状態や今後の耐用年数を踏まえて判断します。
雨漏りがある場合は浸入経路も確認します
天井に雨染みがある場所と、屋根の損傷箇所が真上で一致するとは限りません。雨水は防水シートや梁を伝って別の場所へ落ちることがあります。屋根だけでなく、外壁、サッシ、谷樋、取り合い部分も確認し、浸入経路を絞り込みます。
将建工業では、ブルーシートによる応急処置から、瓦の修理、葺き替え、カバー工法、雨漏り修理まで対応しています。現地調査と見積もりは無料です。制度用の見積書が必要な場合も、まずお住まいの市町村へ相談したうえでご連絡ください。
屋根の本修理については、熊本県の屋根修理ページをご覧ください。すでに室内へ雨漏りしている場合は、熊本県の雨漏り修理ページで対応内容をご案内しています。
熊本でブルーシート補助金を利用する前に確認すること
最後に、申請前の確認事項をまとめます。
- 屋根には自分で上がらず、安全な場所から被害写真を撮る
- 工事や支払いの前に、お住まいの市町村へ相談する
- 申込期限と工事完了期限の最新情報を確認する
- 見積書では応急処置と本修理の内容を分ける
- 施工前と施工後を同じ角度から撮影する
- ブルーシートを掛けたあとも放置せず、本修理を検討する
屋根の損傷は、次の雨までに対応できるかどうかで、室内や下地への被害が変わることがあります。ただし、急いでいるときほど、無理に屋根へ上がらず、写真を残し、市町村へ確認してから進めることが重要です。
見積もりや施工が必要な場合は、将建工業へご相談ください。被害状況を確認し、応急処置で対応する範囲と、本修理が必要な範囲を分けてご説明します。
将建工業
熊本県菊池郡菊陽町津久礼2214-19
電話:050-1883-3906
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